【中編】激甘すぎる婚前同居。 〜訳アリ令嬢は染織家の盲愛に気づかない〜
たまには会社に顔を出さないとな……俺が会社に行っている間に、お茶会をセッティングしよう。彼女を一人、あの家にお留守番させるのも心配だし母さんが美宙ちゃんといてくれるなら安心だ。
心の中で、計画を練る。でも、会社に行くたび、俺の二重生活が負担になる。染織家として、自由に生きる夢と、家族の責任の間で、俺はいつも揺れている。
「俺は、美宙ちゃんに見合う男になれたんだろうか」
独り言のように呟く。心の奥底で、不安が渦巻く。俺は、美宙ちゃんと始めて会った日のことを今でも鮮明に覚えてる。
藤乃家の当時の当主でひいお爺様と鷹司家の同じく当主で彼女のひいお爺様が親友同士で、家で繋がりがあった。その時はまだ少女だった彼女は鷹司家夫人だったお母さんに連れられ藤乃家にやってきたのだ。