遅ればせラブアフェア


クニクニと指先で擦られるたび、くすぐったさを超越した感覚が襲ってくる。

体が熱い。声が出る。下腹部が疼く。全てが初めてで、怖いはずなのに、やめて欲しいはずなのに……


「南萌、止めたいならもっと必死に止めろよ」

「……っ、」

「好きな人とじゃなきゃ、嫌なんだろ?」

「んっ、……ぁう」


整った顔が私だけを見つめている。海里に勝ちたくて必死にもがく私に見向きもせず、いつだって颯爽と一位を掻っ攫っていくこいつが……今、私だけを視界に収めている。

再び触れた唇から差し込まれた舌。それに応えるようにこちらも舌を動かしてみれば、彼の肩がピクリと動いた。


「みな、も……」

「ふっ、ぅ」


キスの合間、詰まって飛び出たその声はひどく熱っぽい。

ただの勘違いかもしれないし、息苦しさからそういう声になってしまっただけかもしれないのに、私の胸はキュッと軽率に音を鳴して。

ジリジリと近づいた彼の左手が私の右手に重なると、もっともっと胸が締め付けられた。

なんだろう、これ。……意味がわからない。


海里は婚約者である前にライバルで。結婚はするけど好きとかそんなんじゃなくて、それはこいつも同じはずで。

それなのに気持ちいい。ドキドキする。暴走する海里をもう少し見てみたい……なんて。

昨日のお酒がまだ残ってるのだろうか。それとも、私が寝ている間に何か変な薬飲ませたとか?
< 21 / 79 >

この作品をシェア

pagetop