これはもはや事故です!

安心という名の居場所

「磯崎がさん、あの……」

「ん?」 

「……わがままを聞いてもらって、ありがとうございます」

「気にしなくていい」

 即答だった。
 それが、かえって胸に刺さる。

 美羽は、言葉を探すように視線を落とした。

「……でも、やっぱり……置いてもらう以上、何か……私にも、できることさせて下さい」

 磯崎の動きが、ふっと止まった。

「足は、まだ完治してない」

「わかってます。でも……」

 美羽は顔を上げる。
 その目には、必死さが滲んでいた。

「……何もしてないと……その……ここにいていい理由が、わからなくなって……」

 一度、言葉が途切れる。

「……ごめんなさい。変ですよね」

 口にしてしまった瞬間、美羽は自分でも胸が痛くなった。
 小さい頃、可愛がってくれた両親も、離婚の間際には、美羽のことをお互いに押し付け合っていた。
 そのトラウマから、『役に立たないと居場所がない』
 『何か返さないと、見捨てられる』
 そんな考え方が、まだ抜けていない。

 二人の間に沈黙が落ちる。
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