これはもはや事故です!
なんとか無事に(?)用を足し、美羽は深呼吸してからドアノブに手を掛けた。

(……絶対、すぐそばにいないでよね……?お願い、そこだけは……)

 そっとドアを開けた瞬間……。

「美羽さん!」

「ひゃっ!?!?」

 美羽の目の前には磯崎だ。
完全に、待ち構えていた。

(距離ゼロのこの状況。どうしてくれようか。)

「だ、大丈夫!?倒れてない?痛みは?」

「ち、近い近い近い!!」

 思わず、美羽は両手で磯崎の胸を押し返した、その瞬間……。

「あっ」

 片足に力が入らず、身体がぐらりと傾いた。

(やばっ……!倒れる——!)

 と思った瞬間。

「あぶない!」

 強い腕がすばやく美羽の腰を支えた。
 ぐいっと引き寄せられ、気づけば磯崎の胸の中にすっぽり収まっていた。

「っ……!」

 耳元で、低く震える声が落ちる。

「……無理に離れようとするからだよ。危ないだろ」

 その声が、やさしいのに叱るようで、美羽の耳は一瞬で熱くなる。

(ひゃ〜、む、むり)
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