夫のいない間に
 その夜、子ども達が帰ってきたのは真夜中だったらしく、早々に寝ていた私は気が付かなかった。

 目が覚めたのは朝の4時。
 まるでおばあちゃんだ。

 洗濯機を回しながら、朝食を作る。
 テーブルにお皿を並べる際、つい、お皿を四枚並べてしまった。

 今日から三枚で良かったのに。

 卵の匂いにつられて、犬の″マキロン ″がクンクンと鼻を鳴らして近付いてきた。

 「これじゃないよ、あんたのはこっち」

 夫が、欲しがる娘の為に五年前に買ってきたコーギー犬。
 世話が大変だから、と息子と私は反対したのだが、

 「家族皆でやれば大丈夫」

  夫の貴士はもっともらしいことを言って、ペットショップに娘と出掛けたのだった。

  がしかし、今じゃ散歩や世話はほぼ私の役目となった。

 足を痛めた最近も、誰も散歩に行ってくれない。

 ハッ! ハッ! と、がっついてフードを食べる犬を見ながら、軽く溜め息をついた。

 どうせなら、犬も連れて旅してくれれば良かったのに。



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