夫のいない間に
「今日もご飯いらないから」「私もー」

健次と理名が、出掛ける際にハモるように言ってきた。

「そう」

夫が居なくなってから、連日、友達と外で食事を済ませるようになった。

まぁ、渡した一万円が底を尽きるまで、でしょ。

仕事が休みの私は、軽く掃除をして、出掛ける事にした。
ほぼ、一年ぶりの美容室。
久し振りに髪を染めてみようかな。
最近は白髪もあるし。

予約制ではない、駅前の安い美容室だったが、そこそこ満足のいく仕上がりにしてくれた。

「真っ黒よりも白髪は目立ちませんよ。何より軽く、明るく見えます」

十年ぶりの茶髪に、ちょっと恥ずかしさも覚えたが、美容師に言われた通り、顔色が明るくなったように思えた。

服もたまには良いもの買ってみようかな。

そのまま、普段は足を踏み入れる事の無い、少し高級感のあるブティックへと車を走らせた。





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