夫のいない間に
 散歩から戻り、マキロンが水を勢い良く飲んでいる。
 浴槽に湯を貯める。

 一番風呂だ。
 思わず顔がにやけた。

 風呂の順番は、娘→夫→息子→私であることが多い。

 万が一、私が先に入ろうものなら、夫の貴士は一気に機嫌が悪くなり、失礼にもほどがあるのだが、浴槽には入らず、シャワーで済ませたりする。
 その事に理不尽さを感じてならない。
 私は、夫のようにいきなりお湯に浸からないし、入る前に体を洗う。

 何より、毎日、風呂掃除をしているのは私なのだ。

 なぜ、最後に入ると決めつけられないといけないのか。

  その夜。
  私は、綺麗なお湯に首まで浸かった。

  見た目はどうもなっていない膝を擦る。

  さまざまな負担から守る為に、太ももの前の筋肉を鍛えるといいと聞いたので、ゆっくりと伸ばした足を上げ下げしてみる。

 お湯の中だと痛くないし、大した負荷もなく鍛える事ができる。

 それを20回以上繰り返し、風呂から上がった。

 冷蔵庫には缶ビールを冷やしておいた。



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