夫のいない間に
 飼い犬がいなくなったら、まず連絡するところ。

 保健所、動物管理事務所、警察、近隣のペットショップ、動物病院、そして、管轄の清掃局。

 万が一、交通事故にあっていたら回収されている可能性もあるから、だとネットに書いてあった。
 そうなるのは、何がなんでも避けたい。

 「今日も探すんでしょ?」

 昨夜、気まずい雰囲気になった娘がポスターチラシを作って一階に降りてきた。


 「うん。中型犬って、一日に五キロも歩く事あるんだっ。昨夜、作ったの?」

 理名がカラープリントしたポスターには、マキロンの写真とこちらの連絡先が大きく載っていた。

 「どこでも貼ってもいいわけじゃないみたい、ちゃんと確認してから貼らせてもらう」

 「もらうって、学校は?」

 「今日は休みじゃん、土曜日だよ」

 「そっか」

 自分が仕事に行かなくなって、曜日感覚が鈍くなっていた。


 「今日は健次も休みだし、皆でマキロン探そう」

 軽く作った朝食を食べながら、理名が強い口調で言った。

 「一緒に、お父さんの捜索願いも出そう。私からの電話も取らないし、やっぱり放っておくのは良くないよ」



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