夫のいない間に
 捜索願いと口にした娘が、やけに大人びて見えた。
 私の知らない表情だ。

 「理名、彼氏いる?」

 「えっ?! なに急に?? てか、警察って土日開いてるんだっけ? 」

 娘は話をそらしたけれど、その左薬指に品のいい指輪が光っていた。
 本人の趣味でつけていたピンキーリングとはうってかわった高級感があった。

 「警察って、何の話?」

  いつの間にか下に降りて来ていた健次も、今更ながら不安そうな顔をした。


 「お父さん、もう戻ってこないような気がしてきた」

 


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