夫のいない間に
「……お」
「何だよ、その茶髪。急に若作りして」
″おかえり ″ も言わさず、いきなり私のヘアカラーのダメ出しから始まった。
四十過ぎて、白髪隠して何が悪いのよ。
「あと車検でタイヤ全部変えたのか? 二つだけ変えてローテーションさせろよ。お前の通勤用に金かけんなよ」
冷蔵庫から、自分用の辛口ビールを取り出して、私を睨み付けながら夫は続けた。
「ビール、随分減ってる。焼酎も。俺がいない間に勝手に飲むな」
私が口を開ける前に、次々と文句ばかり。
梅雨なのに、雨の降らない外からうぐいすの鳴き声が聞こえた。
九州では、うぐいすが鳴いて春を告げるのは5月頃まで。
それ以降に、ホーホケキョと鳴いてるのは、雌に相手にされず子孫を残せなかった雄だと聞いたことがある。
大きな窓から、隣の家の紫陽花が変色してるのに気が付いた。
青ざめた花は、今の私の心境と同じように思えた。
「何だよ、その茶髪。急に若作りして」
″おかえり ″ も言わさず、いきなり私のヘアカラーのダメ出しから始まった。
四十過ぎて、白髪隠して何が悪いのよ。
「あと車検でタイヤ全部変えたのか? 二つだけ変えてローテーションさせろよ。お前の通勤用に金かけんなよ」
冷蔵庫から、自分用の辛口ビールを取り出して、私を睨み付けながら夫は続けた。
「ビール、随分減ってる。焼酎も。俺がいない間に勝手に飲むな」
私が口を開ける前に、次々と文句ばかり。
梅雨なのに、雨の降らない外からうぐいすの鳴き声が聞こえた。
九州では、うぐいすが鳴いて春を告げるのは5月頃まで。
それ以降に、ホーホケキョと鳴いてるのは、雌に相手にされず子孫を残せなかった雄だと聞いたことがある。
大きな窓から、隣の家の紫陽花が変色してるのに気が付いた。
青ざめた花は、今の私の心境と同じように思えた。