半年間、一生分の愛をくれたキミに ー余命半年の私の最後の恋ー

余命宣告

「紗奈。早く起きなさい」


その声で起きて時計を見る。


退屈な一日の始まりだ。


いつも通りの朝…だと思っていた。


今日はいつもとなにか違う。


身体がダルいような、目眩がするような。


貧血？私にとっては珍しい。


「何これ…」


ふと脚を見ると、いつできたかわからないアザができていた。


ぶつけた記憶もないし…まあいっか。


「紗奈ー！早く朝ごはん食べなさい」


一階からお母さんが叫んだ。


私は「はーい」と返事をして、バタバタと階段をおりた。


「もう、学校遅刻しちゃうよ？」


「うん。わかってるよ」


急いで朝ごはんを食べて、制服に着替えた。


「あーもう！」


鏡の前で髪の毛を整えるが、前髪が中々整わない。


「紗奈ー！ほんとに遅刻しちゃうよ」


「わかってるって！」


わかってるけど…。


やっぱり前髪がぐちゃぐちゃだ。


「行ってきます」


なんとか前髪を整えて、家を出た。


この時間ならギリギリ間に合うかな。


しばらく歩くと、同じ制服を着た女子たちが私の前に来て歩いている。


何やら楽しそうだ。


友達がいない私にとってはとても羨ましいことだ。


彼女たちの話をこっそり聞いてみることにした。


最初は、最近ハマっている映画の話をしていたが、次第に話題はズレた。


「そう言えばさ、一組の中枝紗奈っているじゃん？アイツ男遊び激しいんだって」


「えー何それ！きっも」


「いつもぼっちなくせにね」


「あの地味女のどこがいいんだろうね」


私が男遊び激しいって？


そんなはずはない。


私は男子とはあまり関わったことがないし、むしろ苦手だ。


それにこんなデマ、どこから回ってきたのだろうか。


デマがいろんな人に回らないといいな。


そんなことを考えていると、女子たちが後ろにいる私に気づいた。