クリスマスに３つの奇跡を〜サンタはみんなの所にやって来る〜

私は弟の涼成《りょうせい》と二人暮らしをしている…



年の離れた弟の涼成はまだ22歳だ‼︎



私とは７つ違い…



年が離れていることもあってか、私は昔から姉として涼成の面倒を良く見てきた…



そんな気持ちが通じてなのか、涼成は姉を心配してくれる優しい男の子に成長してくれた



「莉奈…もういい加減雄二さんのことで自分を責めるのは止めなよ…そんなんじゃいつまで経っても莉奈が幸せになれないじゃん…」



涼成は心配して言葉をかけてくれる…



涼成はいつまでも前に進めず、自分のことを責めすぎる姉のことが不憫で心配なのだ…



「心配してくれて有難う…私は大丈夫…弟に心配されてるようじゃダメな姉だね…」



私は本当はまだ引きずっている気持ちを押し殺して平気なフリをして言ってみた…



「無理してるのがバレバレだから…もう3年経ったんだ…いい加減自分を許して前を向いて生活して」



優しい弟は私を気遣って労いの言葉をかけてくれる…



「分かってる…私もいい加減前を向かないとね」



心配している弟の涼成にそう言うと、私はふとこの前会った私を止めてくれた男の子の事を思い出した…



若そうな男の子だったな…



涼成と同い年くらい？？



名前くらい聞けば良かったな…



私はふと自分が雄二以外の男の人の事を考えている事に気が付く…



な、何考えてるんだろう…



もうあの男の子には会えないのに…



私は自分の中に芽生えた雄二以外の他の男性の影を打ち消すように、隠れた自分の気持ちにそっと蓋をした…