ここで私は、明日の私を待つ
「ねぇ美樹。さっきの川崎ちょー面白かったね!」


「それなー!」


「やっぱり美樹がいると楽しいわ」


「美樹と友達でよかった」


これが本心かどうかなんて、何だっていい。


私に着いてきてくれる人がいればいいんだから。


「ねぇねぇ、川崎の弁当どうする?」


そういえば、さっき誰かが川崎のカバンを逆さまにした時に、弁当が出てきた。


「そりゃあもちろん捨ててやるでしょ」


「だよね!」


川崎はいつも食堂でパンを買うから弁当を持って来るのは珍しいし、こっちとしてはやるネタが増えるからメリットだ。


川崎がどんな反応をするのか、楽しみで仕方がない。


「でも、いつ川崎のカバンから弁当を取り出そうか?」


別にいつも堂々とやってるんだから見つかってもいいんじゃないの?


私はそう思った。


けれど、佳子にも考えがあった。


「自分の弁当が捨てられるとこを見たらそりゃあ焦ると思うけど、やっぱりいざお昼が来た時に食べようと思っていた弁当が捨てられていた方が、いいリアクションが見られるんじゃないかなって思って」


「あー確かに」


「頭いい!」


私にはその考えは思いつかなかったな。


こういう時に佳子みたいな、しっかり考えられる人がいると本当に助かる。


「じゃあ、四限の体育の時に川崎が移動したら実行しようよ!」


「そうだね」


「さんせー!」


あー、四限が待ち遠しい。
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