ここで私は、明日の私を待つ
次は相手の番。


私たちがディフェンス側だ。


「杏奈いけるよ!」


杏奈が相手からボールを取った。


と、そこに川崎が突っ込んでいった。


「わあっ!」


川崎に押されて、杏奈は尻もちをついた。


「大丈夫?」


みんなが杏奈に駆け寄る。


「うん、大丈夫。それより川崎!あんた何なの!?」


杏奈は川崎を睨んだ。


「いきなり突っ込んでこないでよね。突き指したし最悪」


どうやら杏奈は、突き指までしたみたいだ。


「ご、ごめんなさい…。みんなの足引っ張らないようにって、ボール取るのに必死で…」


川崎は目に涙を溜めて俯いた。


「いやいや、逆に足引っ張ってるから」


「そうだよ。チームメイトがボール取ったってのに、突っ込んでくのがおかしい」


「ごめんなさい」


川崎は深く頭を下げて泣いている。


「こんなんで泣くなよカス」


「泣きたいのは杏奈だよ」


みんなで川崎を責める。


川崎のやったことは、普通に考えておかしいんだから。
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