ここで私は、明日の私を待つ
川崎の弁当を元に戻して、教室を出ようとした頃に、チャイムが鳴った。


どうせ遅刻だし、三人が適当に言い訳してくれているだろうと思い、ゆっくりと歩いて体育館に向かった。


「橋本、大丈夫か?」


体育館に入ると、体育教師の松田先生が来た。


三人が何を言ったのかはわからないが、上手く誤魔化せたようだ。


「はい。大丈夫です」


「無理すんなよ」


今日の体育はバスケ。


いつもなら仮病を使うところだが、私はバスケ部ということもあり、なんとしてでも休みたくなかった。


「よーい、始め!」


軽くアップをした後、試合が始まった。


私のチームは五人チームで、私、咲希、佳子、杏奈、そして川崎。


コートの数が限られてるため、最初は私たちのチームはお休みだ。


「川崎運動音痴だし最悪」


「うちらのチーム負け確だわ」


佳子と咲希が川崎に聞こえるように、わざと大声で言った。


川崎は下を向いて俯いている。


「なんとか言えよ!」


と、杏奈が歩み寄ったところで笛が鳴った。


「終了!次はBチーム対Cチーム」


杏奈は、チッと舌打ちをしてコートに入った。


「足引っ張ったらどうなるかわかってる?」


私はそう川崎に言って、杏奈の後に続いた。


「よーい、始め!」


試合が始まった。


佳子からボールを受け取った私は、必死に走ってゴールを決めた。


「美樹ナイス!」


川崎以外のチームみんなとハイタッチをして、次の立ち位置に立った。
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