一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
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恒例のドライバーの部屋での打ち合わせ。
和室ではないせいか、何となく落ち着かない。
「今度は中国のツアー宿泊客がいるみたいよ」
蛯原さんがウンザリした顔でお茶を淹れていた。
「中国の方って、東京や大阪、京都に行くイメージですけどね。そこで爆買いするっていう」
「最近は、地方にも行くんだって。買うのはモノじゃなくて ″体験″らしいよ」
「へぇ」
「岡田さんも中国人ツアーのお客様、乗せたことあったわよね?……て、全然聞いてないわね」
「聞いてはいるよ」
と、私達の会話に耳は傾けても入ることもなく、ひたすらスマホを弄る岡田。
「ね、さっきから打ち合わせもしないで何を観てるの?」
蛯原さんがスマホを覗き込むと、
「俺の癒しの時間を邪魔すんな」
岡田は面倒臭そうな顔をした。
「やっぱり、あなたってこっちなの?!」
「こっちってなんだ?」
蛯原さんの反応につられて、腐の血が疼いた私もつい、スマホを覗き込んだ。
「わ」
それは古そうな映画の動画で、外国のイケメン俳優二人が抱き合ってるものだった。
「どうだ、美しいだろ? そこいらの女より」
岡田の言葉に、私と蛯原さんは顔を見合わせて笑った。
「何だよ、バカにしてんのか? 俺のキアヌとリバーを」
聞いたことある名前だったけれど、洋画には全く興味のない私と蛯原さんは、明日の確認だけをして岡田の部屋をあとにした。
……が。
「そういえば!」
直ぐに私はその部屋に戻った。
あることを思い出したからだ。
恒例のドライバーの部屋での打ち合わせ。
和室ではないせいか、何となく落ち着かない。
「今度は中国のツアー宿泊客がいるみたいよ」
蛯原さんがウンザリした顔でお茶を淹れていた。
「中国の方って、東京や大阪、京都に行くイメージですけどね。そこで爆買いするっていう」
「最近は、地方にも行くんだって。買うのはモノじゃなくて ″体験″らしいよ」
「へぇ」
「岡田さんも中国人ツアーのお客様、乗せたことあったわよね?……て、全然聞いてないわね」
「聞いてはいるよ」
と、私達の会話に耳は傾けても入ることもなく、ひたすらスマホを弄る岡田。
「ね、さっきから打ち合わせもしないで何を観てるの?」
蛯原さんがスマホを覗き込むと、
「俺の癒しの時間を邪魔すんな」
岡田は面倒臭そうな顔をした。
「やっぱり、あなたってこっちなの?!」
「こっちってなんだ?」
蛯原さんの反応につられて、腐の血が疼いた私もつい、スマホを覗き込んだ。
「わ」
それは古そうな映画の動画で、外国のイケメン俳優二人が抱き合ってるものだった。
「どうだ、美しいだろ? そこいらの女より」
岡田の言葉に、私と蛯原さんは顔を見合わせて笑った。
「何だよ、バカにしてんのか? 俺のキアヌとリバーを」
聞いたことある名前だったけれど、洋画には全く興味のない私と蛯原さんは、明日の確認だけをして岡田の部屋をあとにした。
……が。
「そういえば!」
直ぐに私はその部屋に戻った。
あることを思い出したからだ。