一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 200年前、あの場所で一万人以上の命が消えた 日本国内で最大の、最悪な歴史的戦争が起きた。
 今でも成仏できない人は沢山いるだろう。
 
 怖いものを怖いと考えないようにしている私でも、かなり不気味で、気を緩ませると何処かに連れて行かれそうになる。
 時代の境目がハッキリしない、不思議な場所。
 
「だから、あそこでは、現地の案内はガイドさんに任せてるの」
 
「う、げぇ、絶対に行きたくない」
 
「でも歴史ファン、特に幕末辺りが好きな人は絶対に行ってみたい場所だから、度々、歴史ツアーに盛り込まれてる」
 
「そんなに霊感あるのに、よく夜の病院に行けたね」
 
  感心する顔に、まだソフトクリームはついていた。
 
「そうね、ただ、昨夜は無我夢中だったから」
 
「お話、盛り上がってる所失礼!」

  と、 突然、背後から蛯原さんが割って入ってきたものだから、
 
「わぁっ!」
 
 怖い話のあとだけに、三宅くんはかなりビックリしていた。
 
 「お化け出たみたいに驚かないでよー、素っぴんじゃあるまいし」
 
 蛯原さんがそう言うと、少し離れた所にいた岡田が、クッ…と笑っていた。
 
 
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