一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
「あれ、どう見ても営業してないよな」
 
 岡田が険しい横顔を見せる。
 目的だったコンビニは、改装中らしく周りに足場が設置されていた。
 
 勿論、立ち入り禁止だ。他を探さなきゃ。
 
「この近くにトイレのある施設………」
 
 スマホで検索するも、もう閉店時間を過ぎた店ばかりだ。

「これだから田舎はなぁ」
 
 岡田は、軽く舌打ちしてハンドルを切った。
 
「……あの、どこでもいいんで降ろしてください、もう限界です」
 
 お手洗いに寄りたいと言っていたお客様がお腹をおさえて脂汗をかいている。
 どこでもって、どこに用を足すつもりなの?
 
 そうだ。
 
 私は、あと数百メートルほど先に道路公園があるのを思い出した。
 
 大型OKの駐車場もある。
 ただ……。


 
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