一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 ドキッとした。
 
 ノーマルな男だと分かってしまったから余計に。
 
「明後日、明々後日って仕事は入ってるのか?」

「え?」
 
 明後日、明々後日?
 多分、連休だったはずだ。
 
 私はスマホのスケジュール帳を確認して、
 
「仕事じゃありませんけど?」
 
 恐らく怪訝な顔をして、岡田を見た。
 
「なら、ちょっと付き合わないか? 俺に」
 
 デートの誘いにしては、照れも戸惑いもなく淡々と言う。
 一体、なに?
 
「付き合うって、どこに?」
 
 岡田が謎な男だけに、全く想像がつかない。

「宮崎………」
 
「宮崎? 今朝までいた?」
 
 岡田は振り返り、バスの座席を見渡して、小さく頷いた。
 

「バスの忘れ物を届けるついでだ」







< 267 / 316 >

この作品をシェア

pagetop