一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 行かなかったら、まるで自意識過剰みたいだし、行ったら行ったで、何があってもOKみたいじゃない。
 
 そんな私の気持ちも知らないで、岡田は、さっさとレジで精算を済ませていく。
 
「ごま豆腐、二つも食えるのか、あの婆さん」
 
「つるんとしてるからイケるでしょ。半分、持ちます」
 
  買い物袋を2つぶら下げる岡田に近寄る。
 
「あ、そ。じゃ、重たい方持って」
 
  おい。
 
「何で?」
 
「俺、運転しっぱなしだったから」

「………確かに」
 
  雑に一つ袋を手渡され、拍子抜けする。
  これ、めっちゃ軽いんですけど??
 
 中を見たら、かさばる大袋系のつまみばっかりだった。
 
「………」
 
  ズルいのは、こういうところもね。



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