一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 岡田がムスッと答えて、ベッド脇に置いてあるビニール袋を手に取った。
 
「これ、洗濯物だろ? 乾燥機までかけていいやつなら、桑崎にしてもらうけど」
 
 あ! そうだった。
 明日着る服が無いって話だった。
 
 私が岡田からそれを受けとると、「あ、ちょっと!」 と、赤石さんが私を呼び止めた。
 
「それ、洗濯は運転手さんにお願いしたいわ」

「は? 何で俺が?」
 
 岡田が訝しそうにする。
 
「私も洗濯くらいできますよ」

「乾燥機かけすぎるけどな」
 
「あれは、たまたまです」
 
「ほら、にいちゃん!これもついでにお願い!」
 
 赤石さんは、布団の中で靴下を脱いで、うまい具合にビニール袋に投げ入れた。
 
「これ、下着もあるんだろ? 俺に任せてもいいのかよ?」
 
「別に構わないよ。それとも何かい? あんたは私のパンツ見て欲情するのか?」
 
「するか!」
 
 岡田が私の手から奪い、再びビニール袋を持って、部屋から出ていった。

 赤石さんは、ごま豆腐を一つ完食すると、水を飲んで一息つく。
 
「私はねぇ、添乗員さんと話がしたかったんだよ」





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