一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 え?

「私と?」
 
 一体、どんな?
 
 もしかして、一日分の旅行代の払い戻しとかって話だろうか?
 気持ちは察するけれど、会社的には難しい。
 身構えていると、
 
「添乗員さん、あんたは、彼氏はおるの?」
 
 赤石さんの口から出たのは、全く違う話だった。
 
「あ、いえ。今はいません」
 
「どうして? けして華やかさはないけど、それなりにモテただろうに」
 
「モテてはないですけど。縁が無かったからじゃないですかね」
 
 まるで、世話焼きの親戚のおばさんと話してるみたいだ。
 
「じゃあ、好きな男もいないの?」
 
 
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