一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
「つっ立ってないで、好きなの取れよ」
 
  岡田が冷蔵庫を開けた。
 
 サイドテーブルを見ると、飲みかけのビールがあったので、私もビールを取った。
 
「無理して合わせなくていい、女はチューハイやカクテルが好きだろ?」
 
「そこまで甘いものが好きなわけじゃないです」
   
「………あ、そう」
 
 とりあえず、椅子に腰をおろして乾杯する。
 仕事のような、そうじゃないような旅の夜に。

「お疲れ」「お疲れさまです」
 
 初めて見る岡田の飲酒姿に、やっぱりプライベートなんだなって思えて、また少し緊張してきた。



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