一夜だけの恋も、重い愛もいりません。〜添乗員しづの恋
 飲みながら、始めはやっぱり仕事の話になった。
 
 岡田自身が添乗員をしていた事もあり、思いの外、盛り上がる。
 
「講習受けて、資格取って、先輩添乗員についてツアー回ってさ、三回目からは一人立ちだったよな」
 
「そう! 私も! 無謀だなぁって思ったけど、逆に鍛えられた感じがする」
 
「対客電話って休みの日にしてるだろ?」
 
「そうですね、それをしないと最終確認できた事にならないので」

「あれって、ボランティアじゃん、客が出ない時って無駄だと思わね? オレオレ詐欺が横行してたし、警戒されて電話すら取って貰えなかった」
 
「私もですよ、最近は携帯にかけてもなかなか…それで休みが潰れたり………」
 
  はぁ、と私が溜め息をつくと、岡田がハッとしたように私を見た。
 
「そういえば、よかったのか? 次のツアーの対客電話………」
 
「打ち合わせが明日なので、それ以降で大丈夫です」
 
  今日は、たまたまツイていた。
 
 もし、仕事が入っていたら、赤石さんの迎えには行けなかった。
 
「そっか、ラッキーだったな、俺も」

 
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