バタフライ エフェクト
程なく、母親が高中という男と再婚。

成人をしていたけれど、母親の再婚相手の強い希望で、きちんと手続きをして、今回も名字が変わることとなった。

義父はユーモアのある、苦労人だった。



「私にまっすぐ向き合ってくれたんです。そこで私は、初めて大人の優しさに気づきました」



きちんと働こう。

真面目に生きようと、心に決めた。



しばらく工場や工事現場で掛け持ちで働き、好きな人と巡り合い、息子が誕生した。



「息子が小さな頃は、良い親子関係だったんです。でも、息子が成長するにつれ、私との距離が生まれました」



やがて妻が病死し、高中さんは息子と二人で暮らすようになる。

息子は対人関係が上手くいかず、不登校で家に引きこもる日々を過ごしていた。

そんな時、息子が高中さんに言った。



父さんって、悪い人間なの?



「どうしてそんな質問をされたのかは、すぐにはわかりませんでした。でも息子の手には、どこで見つけたのか、あの屋敷の強盗計画のメモがあったんです」



捨てたと思っていたメモ。

捨てたはずの過去。



一番知られたくない人に知られてしまった。
< 102 / 156 >

この作品をシェア

pagetop