バタフライ エフェクト
「必死でごまかしました」



でもそのごまかしを信じるほど、息子はバカでも素直でもなかった。



ぎくしゃくした息子との関係が続く中、仕事先での態度から間接的にある仕事が舞い込んだ。



「村山家の執事として働かないかと、ご主人様のお父上からのお話でした」



経験実績も専門的な知識もなかったけれど、高中さんの真面目さや几帳面さが買われ、すぐにでも働いてほしかった梨々愛のおじいさんは、高中さんが実績を積む手伝いをしつつ、家に迎い入れた。



やがてきちんと執事として働けるようになり、梨々愛のおじいさんが他界しても、村山家で働くことを選択した。



息子も家から出るようになり、細々と働きながら一人暮らしも始めた。

全てがうまくいっていると、高中さんは思っていた。



でも。



一年前。

ほとんど音沙汰のなかった息子から、お金を無心する連絡が頻繁に来るようになった。
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