バタフライ エフェクト
「私は偶然通りがかり、ご主人様を助けようと、ナイフを持った強盗犯に向かって行きました。だけど、目ざし帽を被った強盗犯が私を見て呟いたんです」



父さん……。



耳を疑ったという高中さんは、ゆっくり手を伸ばし、強盗犯の目ざし帽を取った。



「息子でした」



しかし高中さんの頭の中では、梨々愛のお父さんを守ることを優先せねばという、執事としての考えが浮かんだ。



「息子は私の目をまっすぐ見て、ナイフで襲ってきました」



息子は必死で攻撃しようとしてくる。

でも、高中さんは少年時代に危ない喧嘩を何度も経験していて、一方の息子は誰かを殴った経験もない。

あっという間に息子のナイフを奪い制圧した高中さんは、息子のしでかした事の大きさに青ざめた。



「どう償おうかと考えていた時、息子が言ったのです」



金さえあれば、こんな生活から抜け出せるのに……。



「ショックでした」
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