バタフライ エフェクト
「わ、私は」
と、口を開いた時。



元寄が「香菜子なのか?」と、私を押しのけた。



「香菜子、香菜子なんだな!?」



元寄は目を細めて、香菜子に確かめる。



(自分を殴り殺した人なのに、そんなに好きでいられるなんて)
と、私には理解が出来ないけれど、しっぽを振る仔犬のように、元寄は香菜子との再会を喜んでいるようだった。



「周りをウロウロするの、やめてくれない? 目障りよ」



香菜子は冷たい。



「殺した男に用はないわ。もう一度殺されたくなかったら、私の前から消えて」

「つれないなぁ。本当は香菜子だって嬉しいんだろう? わかっているんだよ」

「……消えて」



香菜子のそっけなさに気分を害したのか、元寄は香菜子を無理に抱きしめた。



「梨々愛から離れて!!」
と、私は元寄の体を引き剥がそうとしたけれど、どういうわけか、元寄の体には触ることが出来なかった。



「えっ?」
< 133 / 156 >

この作品をシェア

pagetop