バタフライ エフェクト
「梨々愛は?」

「この子には体を貸してもらったわ。今は眠っているようなものね」

「梨々愛を返してよ」

「……江原田さんの居場所を教えてくれない?」



香菜子は笑顔を見せる。

私はその笑顔にぞっとした。



「お、教えない」

「あはっ、別にいいのよ。誰も江原田さんが死んだところで、あなたを責めることなんて出来ない」

「えっ?」

「あなたのことも殺してあげるわ。ついでにこの梨々愛って子のことも。だから私に江原田さんの居場所を教えたところで、あなたは密告者にはならない」

「……」

「被害者にしてあげる」

「!」

「この子もそうよ、加害者であり被害者ね」



梨々愛のシルクのような長い髪の毛を、香菜子は確かめるように大事そうに触る。



「……どう? あなた、どんな気分?」



私を見る香菜子の瞳は、かなり挑発的。



(引っかかってはだめ)



香菜子の思うようにしてはいけない。
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