バタフライ エフェクト
「知らないわ、でもあいつのことを考えることすら、私にとっては時間の無駄よ。そういうことにしておけば良いんじゃない?」



そういうものなのかと、どこか釈然としない気持ちでいると、香菜子はハッとした顔つきになり、急に走り出した。

ランドリールームを出て、廊下をかけて行く。



「……!?」



突然のことで驚き、私も走り出すまでの何秒かが彼女よりも遅れてしまった。



「香菜子っ!! ダメだよ、待って!!」



大声で呼びつつ、私は“ちょうちょ館”を走る。



「香菜子っ!! 江原田さんを殺さないで!!」



香菜子は振り返ることなく、風を切って走る。

“ちょうちょ館”を出た彼女の足が止まった。



「!?」



通りの向こうを見る横顔が見えた。

香菜子は、笑っている。



「梨々愛さん」
と、やって来たのは、紛れもない江原田さんだった。
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