バタフライ エフェクト
「も、元寄はどうしてるの?」



香菜子は薄笑いを浮かべて、
「消えていっている最中よ」
と、言った。



私はヘアピンを離した。

カタンっと音を立てて、ヘアピンは床に落ちる。

一瞬、蝶々のモチーフ部分にほんのり赤い液体がついているように見えた。



「ひっ!」
と、声をあげてしまう。



香菜子は笑って、
「大丈夫よ、何にも怖くない。あなたはやるべきことをやっただけよ」
と、私を抱きしめた。



そして、
「ありがとう。あなたのおかげで気分が晴れやかよ」
と、言った。



「えっ? 本当に?」

「つらい人生だった。行く先は真っ暗な闇だと思っていたけれど、最後にあなたといられて良かった。私の闇に光が差したのよ。本当にありがとう」

「香菜子?」

「あなたに返してあげる……」



その時。



「……紫?」
と、聞こえた。



同じ声でも香菜子とは違う、梨々愛の声だと思った。



「梨々愛!?」

「紫、ありがとう。守ってくれて、ありがとう」
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