バタフライ エフェクト
「いい?」
と、香菜子。



「ヘアピンをしっかり持って!」

「うん!」



元寄の近づいてくる気配がある。



「香菜子ぉ、香菜子ぉ……!!」



だんだん声も大きく聞こえて、近寄って来ていることが実感できた。



「振り上げて!」



香菜子の声に合わせて、私はヘアピンをめいいっぱい振り上げる。

そして、
「刺して!!」
の声が聞こえ、私はそのヘアピンを力いっぱい振り下ろした。



「ぎゃあああああぁぁぁあああっ!!」



元寄の悲鳴。

だけど私には何も見えない。

何の感触もなかった。

刺した実感なんてない。



「いいわ、あなたはやり切った!」
と、香菜子は言う。



「どうなっているの?」

「あなた、元寄を退治したのよ!! 私と一緒に!!」



やがて元寄の悲鳴は聞こえなくなった。



「本当に? 何にも感じない!」

「いいのよ、それで。あんな思いはしないほうがいいに決まっているんだから」
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