バタフライ エフェクト
ザクッ!!



嫌な音がした。



「ぎゃあぁっ!」
と、男が短く悲鳴を上げる。



攻撃を受けて力が弱まった男は、私の体を離した。

その隙に、私は床下から這い上がる。

梨々愛も手伝ってくれた。



男は痛がる様子を見せて、
「ひいっ、ひいっ」
と、悲鳴のような呼吸音を吐き出し、私を睨んだ。



「何かしたら、また刺す!!」
と、私は持ったままのヘアピンを男に見せる。



男はそのヘアピンを見るなり、
「わぁあああぁっ!!」
と、叫んで、床下に消えて行った。



「た、助かった……っ」




梨々愛と顔を見合わす。



「あいつ、何?」
と、梨々愛が真っ青の顔のまま、私に問いかける。



「わからない」



私達は肩で息をしつつ、混乱の中にいた。

でも、あの男が、心音ちゃん、知穂や芹香を連れて行ったんだ。



「知穂が言っていたよね? 幽霊だって」

「……信じたくないけど」
と、梨々愛はこう続けた。



「生きた人間じゃないってことは、私にもわかった」









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