【中編】ベストフレンド

「俺は茜さんが陽歌の中に残した思いを知って本当に切なかった。
晃先生のもとへ還りたいという茜さんの強い気持ちが陽歌に夢を見せ二人を引き寄せた。
茜さんと陽歌はずっと昔から二人で一人なんだ。
陽歌の見るもの、感じること、全ての感情を共有して生きてきたんだよ。
亜里沙、お前の親友は陽歌であり、茜さんでもあったんだ。
すぐには受け入れられない部分もあるかもしれないけれど、理解してやって欲しい。
…俺はこれでやっとみんなが幸せになれると思っているんだ」

「みんなが幸せに? …そうだと良いけど。でも…」

「でも?」

「………なんでもない」

そう言ったきり黙り込み、歩調を早めて俺より前を歩き出す。

怒っているような態度に、俺も歩調を早めて追いつくと、頭一つ小さい亜里沙の顔を覗き込んだ。

亜里沙は怒っているわけではなく、今にも泣き出しそうな表情をしていた。


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