【中編】ベストフレンド
だが俺の予想は大きく外れた。
亜里沙は息を呑み、偽装疑惑を肯定するかのように動揺したのだ。
更に年齢や仕事に質問が及ぶと、以前無理やり聞き出した僅かな情報と明らかに違っている。
そこを突っ込むと更に動揺し、発言が二転三転する。
彼女が嘘を吐いているのは明らかだった。
まさか、と思う気持ちの何処かで、やっぱり、と思っている自分がいた。
これまでにもおかしいと思うことは時々あったのだ。
亜里沙はとても綺麗な恋する瞳をしている。
だがその思いを表に出さないように、必死に隠している為、恋する瞳フェチのこの俺でさえ、例の『彼氏が出来た宣言』まで、彼女が恋をしていると気付けなかったほどだ。
そこまでして隠さなければならない恋心とは、もしかして人には言えない相手なのだろうかと、ずっと気になっていた。
更に陽歌が亜里沙の恋に干渉する事をタブーとしていた為、その疑心は益々煽られていたのだ。