【中編】ベストフレンド

彼女は何故か、恋人を俺達に決して会わせようとしない。

知っているのは有名野球選手と同じ鈴木一郎という名前と、海外出張で日本にいないことが多いという事くらいだ。

「…ふーん…なら良いけど、お前、何度誘っても彼氏を連れてこないだろ?
実は彼氏なんていないのに見栄を張ってるんじゃないかと思っていた事もあってさ、今日こそは真相を確かめようと、密かに楽しみにしていたのになぁ」


冗談半分、本気半分。


亜里沙が頑なに彼を紹介するのを拒む理由を問い詰めるチャンスだとばかりに畳み掛けた。

偽装彼氏疑惑を掛けられて、きっと亜里沙は困惑するだろう。

そしてついに観念して照れながら携帯の画像を引っ張り出してくれるくらいの事はするかもしれないと思っていた。

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