ピリオド
カゴとハンガーなどを持ってベランダへと向かおうとする。すると、カゴを総司さんに奪われてしまった。

「二人でやった方が早いですから。一緒にご飯を食べましょう」

ニコリと総司さんは笑う。側から見れば「妻を助ける優しい旦那さん」なんだろう。私は首を横に振る。私の目には、総司さんの行動は政略結婚した妻の機嫌を取っているようにしか見えない。

「大丈夫ですから。総司さんは食べてください。仕事にも行かないといけませんし」

そう言い、カゴを取り返そうとするけど総司さんは「二人でやりましょう」とだけ言い、カゴを持って行ってしまう。仕方なく私は総司さんと洗濯物を干した。その間、胸の中でチクチクと両親から言われた送られた言葉が巡る。

『いいか?妻の仕事は家事と子育て。大黒柱の旦那にやらせたら妻として失格だからな!』

『総司くんにやらせるなんて、あなたはなんて出来の悪い嫁なのかしら。孫も産めないのなら家事をしっかりしないといけないのに』

酷い言葉は言われ慣れているはずだった。子どもの頃、両親の期待に応えられないと何度も言われてきた。でも、ジョンさんと出会って世界が変わってから、自由を手にしてから、そんな言葉はかけられなくなった。ジョンさんはいつだって私に寄り添ってくれた。
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