ピリオド
少しずつ僕を見て(総司side)
新婚旅行から三週間ほどが経った。心春ちゃんにプレゼントを贈ったり、家事を今まで以上にしたり、結婚した当初よりアプローチできていると思う。僕がプレゼントしたヘアクリップつけてくれてるし、いい方向に向かってるよね?

(今日の晩ご飯何かな〜)

家に帰るのが楽しみだ。勤務が終わり、鼻歌を歌いながら家へと向かう。頭の中は心春ちゃんのことばかりが浮かぶ。

「今度の休みに一緒に映画でも行きたいな。でも、水族館や動物園もいいかも」

心春ちゃんはどんな場所へ行きたいかな。目を輝かせて笑う姿を想像し、胸が温かくなる。その時だった。突然聞こえた声に現実に引き戻される。

「つ〜ばきさん!」

僕が振り返るよりも先に、腕に恭子さんが抱き付いてきた。ゾワリと肌が粟立つのを感じ、僕は「……離してください」と低い声で言う。しかし恭子さんはニコニコと笑ったまま、さらに腕を絡めてきた。

「椿さん、冷た〜い。私悲しいな〜」

「離してください。家に帰りたいので」

「家に帰る前にちょっと寄り道しましょうよ。私、いいバー知ってるんですよ」

「行きたくありません。家に帰ります」
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