青に溶ける、きみ。




呼吸をひとつするたび、世界が少しだけ揺れる気がする。

何気ない音、光、匂い――

それらが、知らぬ間に胸の奥をざわつかせる。


視線が交わる瞬間、指先が触れる距離、空気の温度――

そんな些細なことに、心は無意識に反応してしまうのだ。


教室の光も、午後の青に溶ける。

窓から差し込む光が、机の上のノートや教科書に触れるたび、胸の奥で小さな波が立つ。

授業の合間に聞こえる笑い声、ペンが落ちる音、風に揺れる髪――

すべてが、私の心を少しだけ早め、胸の奥に熱を灯す。


意識するだけで、世界は静かに、でも確かに熱を帯びる。

視線を向けるたび、声を聞くたび、胸の奥が微かに震える。


それの名前を、私は心の中で知っている。


でも、言葉にするには、まだ光に溶ける青のように、透き通ったままにしておきたい。








【 青に溶ける、きみ。 】







< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ツンデレ彼女がデレる瞬間。
/著

総文字数/19,373

恋愛(純愛)99ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
俺には、1年以上付き合っている彼女がいる。 「キスしたい」 俺の彼女は…… 「むっ……無理!!!」 ツンデレだ。 ┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈ 東雲 羽琉-Uru Shinonome- × 竹畑 澪-Mio Takehata- ┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈ 『ツンデレ彼女がデレる瞬間。』 まぁ、俺がデレさせるけど。 ─────────────── 総合ランキング ▷ 最高14位 ジャンル別ランキング ▷ 最高14位 ─────────────── 感想ありがとうございます✡。:* 妃麻莉様
彼は甘い危険
/著

総文字数/77,921

恋愛(学園)230ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「気を付けて...この学校狼いるから!」 「.....え?」 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ ふわふわうさぎ系女の子 × 隣のイケメン俺様男子 ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼ 「お前、襲われたいの?」 関わるなって言われてたのに、どうしても気になって────── 「星奈、その顔誰にも見せんなよ」 【彼は甘い危険】
【失恋同盟】
/著

総文字数/81,640

恋愛(学園)286ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「俺ら、同盟組まない?」 「………はい?」 「名付けて、“失恋同盟”」 * 【失恋同盟】 * 「俺は、篠原が欲しい。篠原は、俺が欲しくない?」 「……そ、その言い方やめてっ」 ─────勢いで結んでしまった、同盟    「俺がいつまでも失恋引きずってると思ってた?」 「…ち、違うの?」 「ハグするための、ただの口実」 ①ハグ以上は禁止。 ②どちらかに好きな人ができたら、同盟解消。 ③この同盟は、秘密にすること。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop