青に溶ける、きみ。
ちらり、と晴海のほうへ視線を向ける。
すると、頬杖をついた晴海も、ちょうどこちらを見ていた。
ふたつの視線が静かに重なって、胸の奥が小さく鳴る。
慌てて逸らしたくなるのに、ほんの一瞬だけ、その瞳から目が離せなかった。
……やっぱり、青が似合うな。
窓いっぱいに広がる夏空が、晴海の後ろでゆっくりと揺れている。
その青さは、まるで彼のためにそこにあるみたいで。
風に揺れる黒髪も、制服の白も、その全部を夏がやさしく包み込んでいた。
きっと夏は、晴海のことをよく知っている。
そんな、少しだけ子どもみたいなことを考えていたら、ふと思い出した。
「そういえば、さっき先生が来る前……何か言おうとしてた?」
そう声をかけると、晴海は少しだけ目を丸くする。
「え?」
「私の気のせいだったらいいんだけど……」
たしか、夏休みがどうとか、そんな言葉が聞こえた気がした。
晴海は一度首を傾げて、それから「ああ」と小さく息を漏らす。