青に溶ける、きみ。
ロングホームルームが終わって、教室が一気に放課後の空気へ溶けていく。
窓の外では、眩しすぎるくらいの夏の日差しが校庭を照らしていて、風に揺れる木々の葉がきらきらと光っていた。
帰る準備をしていると、「夏井さん、大塚くんが呼んでる」とクラスメイトの女の子が私の席まで来てそう言った。
その子が指さした先へ目を向けると、教室の扉の向こうに隣のクラスの大塚くんが立っている。
何の用だろう。
そんな小さな疑問を抱えたまま、私は隣の晴海へそっと視線を向ける。
「じゃーね、夏井。また来週」
「あ、うん……また」
たったそれだけの言葉を残して、晴海は迷いなく友達の輪へ入っていく。
ふぅ、と一度細く息を吐いた。それから気持ちを整えて、大塚くんのもとへ歩いていく。
「どうしたの?」
「ちょっと話したい事あんだけど、今いい?」
静かに頷くと、大塚くんは安心したようにへらっと笑って歩き出した。
その笑顔につられるように、私も少しだけ歩幅を合わせる。