青に溶ける、きみ。
何か言いたそうなのに、うまくまとまらないらしく口元をもごもごさせていた。
その歯切れの悪さが余計に気になってしまう。いったい何の話なんだろう。
「終業式の日にさ、隣のクラスのやつが夏井のこと呼びに来ただろ」
「……あ、大塚くんのこと?」
名前を口にした瞬間、胸の奥で透明な水面がそっと揺れた。
教室には冷房が効いているはずなのに、頬だけが少し熱くなる。
「それがどうしたの?」
そう聞き返すと、晴海は頬杖をやめ、腕を組みながら私をまっすぐ見つめた。
「何かあったの?」
「……えっ!?」
終業式の日の夕暮れが、熱を帯びた風が、廊下に伸びた影が、あまりにも鮮明によみがえる。
さっき昇降口で会ったときは、ちゃんと普通に話せたと思っていた。
だけど、それは違った。
平気なふりをしていただけ。
本当は姿を見つけた瞬間から胸の奥は落ち着かなくて、名前を呼ばれるだけで、声が耳に届くだけで、心臓は夏空に弾ける入道雲みたいに大きく波打ってしまう。