青に溶ける、きみ。
「……っ、大塚くん?」
思わず声が漏れる。突然名前を呼ばれたかと思えば、今度はこんなにも近い距離で見つめられて、頭の中が追いつかなくなる。
「……あのさ、今からどっか行かない?」
予想していなかった言葉に、私は一瞬瞬きを忘れた。
「今から……?」
聞き返した声は、自分でも分かるくらい少し震えていた。
大塚くんは窓の外へ視線を向けながら、少しだけ照れたように笑う。
「雨、二時間くらいで止む予定らしいんだけど」
そう言った表情が、いつもの余裕のある大塚くんとは少し違って見えた。
ほんのり赤く染まった頬。少しだけ迷うような目。
その姿を見た瞬間、私はあの日のことを思い出してしまった。
もしかして……。
大塚くんは、ずっと返事を待っているんだろうか。
そう思った瞬間、胸の奥が大きく揺れた。