青に溶ける、きみ。
「……へ、返事」
思わず口に出してしまった言葉に、大塚くんは一瞬きょとんとした顔をする。
「あ、待って待って」
慌てたように手を振る。
「返事じゃなくて。その前に、一度デートでもしてみようよ」
デート。
聞き慣れたはずのその言葉が、私の中では知らないものみたいに響いた。
私が、大塚くんと……デート?
頭の中にその言葉が浮かんだ瞬間、顔が熱くなっていくのが分かった。
「で、デート……?」
明らかに慌てふためく私を見て、大塚くんは堪えきれないように小さく笑った。
その笑い声に、少しだけ頬が膨らむ。
「ひ、ひどい……!」
大塚くんにとっては、こんなこときっと慣れているのかもしれない。
誰かと出かけることも、こんなふうに自然に誘うことも。
だけど私にとっては、何もかもが初めてみたいで、たった一つの言葉だけで心の中が騒がしくなる。