青に溶ける、きみ。
そんな時だった。
ふと、大塚くんの後ろにいる人影に気づいた。
そこでは、晴海が何人かのクラスメイトと話をしていた。楽しそうな声が聞こえるはずなのに、なぜかその瞬間だけ、周りの音が遠くなった気がした。
晴海の視線が、こちらへ向いている。
……晴海。こっち、見てる?
そう思った瞬間、ドクン、と心臓が大きく跳ねた。
まるで見つかってはいけないものを見られたみたいに、私は反射的に視線を逸らしてしまった。
なんで、逸らしちゃったんだろう。別に、悪いことをしているわけじゃない。大塚くんと話しているだけ。どこかへ行こうと誘われただけ。
それなのに、胸の奥がざわついて、晴海の視線から逃げるように目を伏せてしまった。
自分でも分からないその反応が、余計に私を戸惑わせる。
「ね、夏井?行こうよ?」
大塚くんの声で、再び現実へ引き戻される。
「あっ、えっと……」
返事をしようとしたのに、言葉がすぐには出てこなかった。窓の外では、まだ細い雨が降り続いている。