青に溶ける、きみ。
「夏井、結構濡れてんね」
「っ、晴海ほどじゃないよ」
はは、と笑う晴海の顔。前髪が上がっているせいか、いつもより笑顔が大きく見えて、胸の奥がぎゅっとなる。
笑うと眉がそう動くんだ、と、どうでもいいことに心が揺れてしまう。
毎日隣の席から見ていた晴海の、知らなかった一面がひょいと顔を出す瞬間が、嬉しくてたまらない。
「タオル持ってきたから、濡れたやつは拭けよー」
先生が渡してくれたタオルで、とりあえず前髪を押さえ、ポニーテールの髪を絞る。
短い髪の緑が、ちょっと羨ましそうに呟く。
「こういうとき、縛れるのいいな」
「私は、緑くらいの髪の長さ憧れるけどなあ」
「そうかなあ、子どもっぽいって言われるよ。長い髪、いいけどなあ。晴海は、どう思う?」
「聞かないでいいよっ」
小さな声で緑にそう告げる。
でも晴海はじーっと私を見て、何かを考えている。
わあ、なんだろう、この時間。
胸が押し潰されそうに緊張する。