マーガレット
『それにあの女。相当な数の恨みを買っているが自分の黒さの方が上回って全く意味がない。呪いすらも跳ね返す珍しい体質だな』

「つまり聖女に向いてるってこと?」

『向いてねぇな。どちらかと言えば護衛向きだな』

 護衛向き、ね。
 じゃあもしかしたら皇太子殿下の護衛が身分を偽って隣にいるって可能性もあるってわけだ。第二皇子が呪われていたから危険だと判断したのかもしれないし。

『残念だがあの女は既に食われた後だ。身ごもるのも時間の問題だろうな』

 ……どこでその情報を得てるのよ。
 まさか特定の人にしか見えないからって皇太子殿下の部屋を覗き見していたとかじゃないわよね?

『胸もお前の方がデカかったぞ。マーガレ――ぶッ! な、何をする!』

 聞くに堪えなくなった私は椅子の背もたれに使っていたクッションをヴァルへと投げ、睨みつけた。

「気持ち悪いから話しかけないで」

『お、おい。俺は本当のことを言ったまでだ! 何故そんなに腹を立てる!』

 精霊には恥じらいってのはないわけ?
 まったく……。

「じゃあ聞くけどヴァルの腕の中よりも陛下の腕の中の方が良かったって言ったら?」

『あ? あんな奴のどこがいい』

「守ってもらった時にとても安心したし、いい匂いがしたよ」

『ほ、ほー。俺だっていい香りくらい出せる! それに俺の方が長年一緒に過ごしてきたんだ。安心を通り越して一体感すら覚えるだろう』

 どれだけ自分に自信があるのよ。
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