マーガレット
――コンコンコン
「どうぞ」
ヴァルとくだらない話をしていたら執務室のドアがノックされた。
返事と共に扉が開き、顔を覗かせたのは陛下の側近であるサム。
「来客中ですか?」
「いえ。独り言です」
外までヴァルとの会話が聴こえていたのか、遠慮気味に入ってきたサムは手に持っていた資料を机の上に置いた。
「リシュライド様の健康診断の件とオルライド様のお相手に聖女の素質があるか見極めろとのことです」
「健康診断は他の方が準備していますので明後日には実行されるかと。皇太子殿下のお相手の方ですが、素質はないと仰ってください」
「調べられたのですか?」
まだ数回しか皇宮に来ていないのにとサムは首を傾げ、不思議そうにする。
私も実際に見た訳じゃないし、少しだけ不安になりヴァルの方を見て視線だけで『どうなの』と訴えると、首を左右に振り『微塵もない』と言って笑った。
「遠巻きではありましたが拝見したので……」
ヴァルが。
「そうでしたか。では陛下にはそのようにお伝えしておきます。あ、あとこちらを」
「なんですか? これ」
サムが手渡してきた手紙には皇室の印が捺されていた。陛下の側近が持ってきた上にこの印だとすると相手は陛下で間違いないけど、何故か受け取ったら駄目な気がする。
「毎年恒例の祈願祭の前夜に行われるパーティーの招待状です」
ほらみろ。絶対面倒だと思ったもん。
祈願祭は二週間ぶっ通しで行われるお祭りで、殆どの人が休暇になる年に一度の大イベント。
その二週間は誰もが働きたくない期間で、通常よりも給料が高いだけではなく、働きっぱなしだった人は別の日に休みが用意されていて、お金に困っている人にとっては願うよりも働いた方が幸せになる時期。
その前夜祭は貴族と皇族が集まって『寄付』って形でお金を国に渡し、その分を給料に当てるから当たり外れがあるとも言われている。
「どうぞ」
ヴァルとくだらない話をしていたら執務室のドアがノックされた。
返事と共に扉が開き、顔を覗かせたのは陛下の側近であるサム。
「来客中ですか?」
「いえ。独り言です」
外までヴァルとの会話が聴こえていたのか、遠慮気味に入ってきたサムは手に持っていた資料を机の上に置いた。
「リシュライド様の健康診断の件とオルライド様のお相手に聖女の素質があるか見極めろとのことです」
「健康診断は他の方が準備していますので明後日には実行されるかと。皇太子殿下のお相手の方ですが、素質はないと仰ってください」
「調べられたのですか?」
まだ数回しか皇宮に来ていないのにとサムは首を傾げ、不思議そうにする。
私も実際に見た訳じゃないし、少しだけ不安になりヴァルの方を見て視線だけで『どうなの』と訴えると、首を左右に振り『微塵もない』と言って笑った。
「遠巻きではありましたが拝見したので……」
ヴァルが。
「そうでしたか。では陛下にはそのようにお伝えしておきます。あ、あとこちらを」
「なんですか? これ」
サムが手渡してきた手紙には皇室の印が捺されていた。陛下の側近が持ってきた上にこの印だとすると相手は陛下で間違いないけど、何故か受け取ったら駄目な気がする。
「毎年恒例の祈願祭の前夜に行われるパーティーの招待状です」
ほらみろ。絶対面倒だと思ったもん。
祈願祭は二週間ぶっ通しで行われるお祭りで、殆どの人が休暇になる年に一度の大イベント。
その二週間は誰もが働きたくない期間で、通常よりも給料が高いだけではなく、働きっぱなしだった人は別の日に休みが用意されていて、お金に困っている人にとっては願うよりも働いた方が幸せになる時期。
その前夜祭は貴族と皇族が集まって『寄付』って形でお金を国に渡し、その分を給料に当てるから当たり外れがあるとも言われている。