マーガレット
「お金ないです」

「寄付の事をお考えですか? あれはあくまで善意なので中には寄付しない方もいらっしゃいますよ?」

 それはそうかもしれないけど、そもそもパーティーに出るにはドレスを用意しないといけないし着替えだって誰かに手伝ってもらわないといけない。

「ああ。もしかしてドレスをお考えでしょうか? 安心してください。聖女として正装で出席してほしいと陛下は仰っていました」

 正式な場でしか着ないから空間に放り投げた正装は、今着ているシンプルで真っ白な服とは違って金色の装飾が施されており、汚したら絶対に駄目な雰囲気を持っている。

 実際に汚れたら場合によっては全額国から支給されるらしい。場合によってはね。

「……欠席とか」

「無理でしょうね。最悪の場合陛下が自ら迎えに来るかと」

「それは駄目です。絶対に行くので」

「ではそのようにお伝えしておきます」

 とびっきりの笑顔を見せたサムはそのまま一礼してから部屋を出て行った。

「最悪だ……」

 頭を抱える私とは違い、ソファーにいるヴァルが笑いながら『良かったじゃねぇか』とのん気に言う。

『死ぬほど酒も飲めるしな』

「お酒は嫌い」

 聖女としてパーティーに参加するなんて絶対にしたくないと思っていたのに、どうして招待状なんか……。会場にはお父様はもちろんリリアナもいると思うし、説得できていない状態で会いたくないんだけど。

 はぁ……。
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