ヤンデレ腹黒な仮面作家は激重な執着溺愛を隠さない
結局、冷静な弁護士と話し合い、十万円まで下げた。
本来はこの件ならばこれくらいが妥当な金額だと弁護士に言われていた。が、紀香が渋るのが目に見えていたので、最初にふっかけたのだ。
十万で紀香が承諾したので、弁護士が書類を出す。
「ではこちらにサインを」
紀香はしばらくペンと書類をにらんでいたが、やがてあきらめたようにサインをして耀理を視線で射る。
「これで勝ったつもり? 男の手を借りて、ずるいわよね。そういうのやめなさいよ。これは親切のアドバイスよ」
「お前、まだ言うか!」
「やめて」
怒鳴りつける史弥を手で制すと、史弥は怒りをこらえきれない様子で耀理を見る。
「俺の大事な人を傷付けられて黙ってろって言うのか」
「……違う。私、自分で言いたいの」
決意をこめた耀理の様子に、史弥はふと目元をやわらげる。
「わかった」
史弥が身を引くと、耀理は背筋をピンと伸ばして精一杯のきつい目で紀香を見る。
今まで紀香に言い返したことなんてない。ずっと紀香が正しいと思い込んで来たから。
だけど、そうではなかった。
もう自分は気付いた。アドバイスと言う名の支配で言いなりになる必要なんてないし、黙ってやられっぱなしになる必要もない。
本来はこの件ならばこれくらいが妥当な金額だと弁護士に言われていた。が、紀香が渋るのが目に見えていたので、最初にふっかけたのだ。
十万で紀香が承諾したので、弁護士が書類を出す。
「ではこちらにサインを」
紀香はしばらくペンと書類をにらんでいたが、やがてあきらめたようにサインをして耀理を視線で射る。
「これで勝ったつもり? 男の手を借りて、ずるいわよね。そういうのやめなさいよ。これは親切のアドバイスよ」
「お前、まだ言うか!」
「やめて」
怒鳴りつける史弥を手で制すと、史弥は怒りをこらえきれない様子で耀理を見る。
「俺の大事な人を傷付けられて黙ってろって言うのか」
「……違う。私、自分で言いたいの」
決意をこめた耀理の様子に、史弥はふと目元をやわらげる。
「わかった」
史弥が身を引くと、耀理は背筋をピンと伸ばして精一杯のきつい目で紀香を見る。
今まで紀香に言い返したことなんてない。ずっと紀香が正しいと思い込んで来たから。
だけど、そうではなかった。
もう自分は気付いた。アドバイスと言う名の支配で言いなりになる必要なんてないし、黙ってやられっぱなしになる必要もない。